放射線治療科Radiation Oncology

放射線治療科

放射線治療とは

放射線治療はがんとその周辺のみを治療する局所治療です。
放射線は手術、抗がん剤とともにがんの治療の中で重要な役割を果たしています。放射線は手術と同じく、がんとその周辺のみを治療する局所治療です。手術と異なるところは、臓器を摘出する必要がなく、臓器をもとのまま温存することができ、そのため治療の前と同じような生活をすることが可能な治療手段であることです。
放射線が、がん治療の手段として使われはじめてからおおよそ100年がたちますが、その間に放射線治療機器、放射線生物学やコンピューターが発達し、放射線治療は急速に進歩してきました。がん組織に多くの放射線量を照射し、周囲の正常組織にはできるだけ少ない量の放射線を照射することができるようになってきて、がんを治せる可能性が高くなり、しかも副作用の少ない放射線治療が実現してきています。

放射線治療装置と照射方法

高精度放射線治療装置 ノバリスTX

ノバリスTXとは脳、頭頚部だけでなく、脊椎や肺、肝臓、前立腺などの体幹部にも適応可能な定位放射線治療装置です。

高精度放射線治療装置 TrueBeam

最新の高精度放射線治療装置で、定位放射線治療や強度変調放射線治療(IMRT)などを短時間に行うことが可能です。

高精度放射線治療装置 Radizact

強度変調放射線治療(IMRT) 専用装置Radixactが2020年5月から稼働しています。IMRTは、がん周囲正常組織の線量を低減し病巣に高い線量を集中させることで、局所制御率を向上させ、副作用を軽減できる照射法であり、限局した悪性腫瘍のすべてに保険適用されます。主な対象疾患は脳腫瘍、頭頚部腫瘍および前立腺癌ですが、最近では肺がんなど胸部腫瘍へ適用を拡大しています。他の2台の外部放射線治療装置に無い本装置の特徴として、広範囲に及ぶ病巣でも対象とできる点があります。例えば頭頚部腫瘍と食道がんが同時重複している場合も一連の病巣として同時に照射することが可能です。また、画像誘導放射線治療(IGRT)システムを搭載しており、画像診断技術を駆使して正確にがんに放射線を照射することができます。

外部放射線治療

高いエネルギーのⅩ線を体の外から患部に照射し治療します。
リニアックという装置を使用します。
一日一回~二回の治療を数週間に亘って行います。一回の治療は数分で終了いたします。患者様が痛みなどを全く感じることのない治療です。

定位放射線治療

脳や肺などの小さな病変に対し、放射線を多方向から照射して病巣に放射線を集中させる治療法です。 当院では高精度放射線治療装置を用いて、マスク固定による痛みのない治療が可能です。主に転移性脳腫瘍、原発性肺がん、転移性肺がんなどに対して積極的に実施しております。

強度変調放射線治療(IMRT)

病巣の形状に合った高い線量の投与を行うことが可能となり、治療効果の向上と副作用の軽減が期待されています。当院では現在VMATと呼ばれる回転型のIMRTを実施しており、より短時間に治療を行うことが可能です。脳腫瘍、頭頸部がん、前立腺がんをはじめさまざまながんに対してVMATを実施しており、年間に100例を超す患者様の治療を行っています。

小線源治療

放射線を出す小さな金属を患部に密接させるか、埋め込んで照射をする方法です。この治療により病変部に放射線を集中させることができます。当院では主に婦人科がんや前立腺がんに対し行っています。 前立腺がんに対するヨウ素125永久挿入療法は平成16年に四国で最初に開始し、現在約800例の治療実績があります。

密封小線源治療

・前立腺癌ヨウソ125永久挿入療法
・婦人科腫瘍の腔内照射、組織内照射
・乳がんの組織内照射

放射性同位元素内用療法
(核医学治療)

甲状腺がんに対する131-I内容療法